エキセントリックトレーニング
エキセントリックトレーニングとは
筋肉の活動には
図1.コンセントリック(短縮性筋収縮)
=力を発揮しながら筋肉が短縮している状態:負荷<力
図2.アイソメトリック(等尺性筋収縮)
=力を発揮しながら筋肉の長さが変わらない状態:負荷=力
図3.エキセントリック(伸張性筋収縮)
=力を発揮しながら筋肉が収縮しながら引き伸ばされている状態:負荷>力
と呼ばれる3つのフェーズがあります。
図1.コンセントリック
- KEEP -
図2.アイソメトリック
図3.エキセントリック
より簡単に説明すれば腕相撲をしている時の自分の筋収縮の状態は
自分が相手に勝っている状態=コンセントリック
自分と相手が膠着状態=アイソメトリック
自分が相手に負けている状態=エキセントリック
となっています。
エキセントリック筋収縮には、コンセントリックやアイソメトリックより大きな筋力を発揮できたり、筋肉が引き伸ばされる速度に応じて強くなるといった特徴があります。
WHY IS ECCENTRIC TRAINING IMPORTANT ?
何故エキセントリックトレーニングが重要なのか
ジャンプの際の落下時の着地や方向転換、ダッシュをした際に減速させる時といった基本的な動作から、投げる・蹴る・打つといったスポーツ的な動作の減速、バランスを崩した際や外力がかかった際の姿勢の制御といった多くの動作の中でエキセントリックの負荷は発生します。
しかしながら多くの重りを持ち上げるような伝統的なエクササイズでは、コンセントリックやアイソメトリックのトレーニングとしては効果を発揮するものの、エキセントリックな負荷を発生させるエクササイズは実は多くなく見逃されがちです。
エキンセントリック筋収縮、特に過負荷の発生するエクササイズでは、最大筋出力、瞬発力、スピードが改善されると同時に、筋肉だけでなく体の結合組織も強化することで方向転換能力や可動性を改善し、腱炎からACLに至るまでリスクを軽減する傷害予防の効果が確認されています。
TMR × エキセントリックトレーニング
TMRを活用したエクササイズは、原則自重を利用したエクササイズになっているため、無理な負荷をかけることなく身近な環境を利用して簡易的且つ効率的に実践出来ます。
等張的に筋肉のテンションを高めながら主動作筋、拮抗筋を協調的に使い、手軽にコンセントリックトレーニングとエキセントリックトレーニングを行うことが可能です。
2004年には従来的なスクワットとTMRを用いたスクワットにおける筋肉に対する負荷を比較検討した研究が行われ、TMR使用時は重りのレベルを下げた場合も従来的なスクワットの高負荷トレーニングに相当することが論文として発表されています。
従来的なスクワット
50% / 1RM*
60% / 1RM*
70% / 1RM*
*1RM=1回の反復が限界の最大負荷
=
TMRに負荷を加えたスクワット
± 0kg
+10kg
+20kg
この研究の中では従来のスクワットとTMRを用いたスクワットを行なった際の筋動と最大随意収縮の比較を筋電図の変化を用いて計測しました。その結果TMRを用いた加負荷0kg・10kg・20kgのスクワットが、従来のスクワットにおける1RMの50%・60%・70%の負荷に相当することが確認されています。